2011-01-01から1年間の記事一覧

核兵器の信頼性

まずは世界的に核兵器保有国と明確に認識されている国とその核爆発実験回数をみてみましょう。()内は大気圏内実験の内数米国 1032回(215) ロシア 715回(207) フランス 210回(50) 英国 45回(21) 中国 45回(23)これらの5か国については、明確に核…

弾道ミサイルの射程と信頼性

弾道ミサイルの問題について考える場合に押さえておくべき点についてみてみましょう。弾道ミサイルはその射程によりおおまかに、 ICBM 大陸間弾道ミサイル 射程5,500km以上 IRBM 中距離弾道ミサイル 射程2,400km以上5,500km未満 MRBM 準中距離弾道ミサイ…

航空母艦(空母)

航空母艦(空母)とは、何か。 要するに航空機を恒常的に運用する目的でそれに必要な機能を持つ艦艇のことです。 細かな部分についていえば、一元的な定義はなく、かなり曖昧な使われ方をしているのが実際です。 その形状の特色として、一般的な艦艇・船舶と…

北方領土問題

所謂北方領土問題を外交面だけでなく、軍事的な視点を交えて考えてみましょう。まず、第二次世界大戦後の全世界のほぼ全ての国境線は、第二次世界大戦の結果として決まったものであるということ。 それが確定されること及び一度確定されたそれが変更されるに…

2011年1月からのエジプト情勢

米国のオバマ大統領は、エジプトのイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」について、その「反米的思想」に警戒感を示しているとされる一方、ムスリム同胞団が加わったエジプト政府と野党勢力の対話を支持するという、方向性としては矛盾する態度をとってい…

潜在的軍事力

普通、軍事力(防衛力)といった場合、今現在の装備(航空機・艦艇・戦車など)の数とそれらの性能や兵力の多寡などからその大小(強弱)が判断されます。それに対して、潜在的軍事力という概念があります。科学的・工業的な技術水準が高いのか低いのか。 そ…

平時体制と戦時体制

日本の継戦能力の問題として、しばしば弾薬備蓄量の少なさが話題になります。 自衛隊の全部隊が一斉に発砲・発射すると弾丸・弾薬・ミサイルは数時間でなくなるとか(まあ、実戦ではありえない想定ですが)、数日しか闘えないとか。あるいは、特定の装備の保…

クリュンパーシステム−急速動員システム

東西冷戦時代、ソ連は日本に対してことあるごとに、日本の軍国主義化の懸念や(彼らにとっての)日本の軍事的脅威ということを口にしていました。ある日本人が、ソ連の関係者と話す機会があった時にこれに触れ、「日本は例えば陸上兵力(陸上自衛隊の隊員数…

EEZ(排他的経済水域)とSLBM(潜水艦発射式弾道ミサイル)−米国の核戦略

EEZとSLBM。この両者には一見何の関係もないように見えるでしょう。EEZとは経済利権の範疇であり、防衛・軍事に関係あるSLBMとは関係は見出せないように思えるでしょう。ところが、実際は非常に密接な関係があるのです。EEZ(排他的経済水域)とは、昔からあ…

日米安全保障条約−日米不戦条約

かつて、この条約の改定をめぐり日本国内で大きな意見対立があったりしたこともあり、この条約をめぐっては多くの議論があり、一般の認知度の高い条約です。 しかしながら、議論の中でも一般の認知の中でも、この条約の中核的な意味合いの理解というものは皆…

潜在的仮想敵国−軍事的脅威の強度は「能力」と「意図」の積

防衛の問題において、どの国が自国にとって「軍事的脅威」であるかとか、「(潜在的)仮想敵国」であるかということが話題になったりします。 それらは、どのように考えればよいのでしょうか。まず、「顕在的な軍事的脅威」あるいは「顕在的仮想敵国」という…